白菜の油炒め
主人の実家は東北の農家です
冬、実家で毎日のように出されるおかずがこれ
白菜の油炒め
白菜をザクザク切って、そこらにある油で炒めて、醤油を回しかけるだけ
取り立ててなんて事のない、格好良くもないおかずです
結婚して間なしの頃、実家でこれを食べて
「なんて美味しいんだろう!」
と思いました
自宅に帰ってから何度も作るのですが、同じ味になりません
甘み、旨味が乗らず、砂糖を足してみたり、みりんにしてみたり、だしの素使ったり…
けれど、実家の味にならない
ある時、姑にその話をし、作り方を教わりました
「作り方って言っても、油で炒めて醤油かけるだけだよ。砂糖やみりんを入れたらしつこくなる。」
義母はそう言って目の前で作ってくれました
本当に何一つ変わったことはないのです
スーパーで売ってる安いサラダ油、どこにでもある大手メーカーのお徳用醤油
そうして数年が経ったある冬、義母が送ってくれた寒を超え外皮をむいてしなっと小ぶりになった白菜で作ったところ、これが実家の味になったのです。
自然の力は素晴らしい。
白菜が持つ甘みが寒い間に凝縮され、調味料では作れない甘みと旨味になっていたのです。
以来、私は寒超えした白菜がある時だけこの油炒めを作るようになりました。
今年の野菜の高騰
白菜が高くて鍋好きな我が家では、寂しい日々を過ごしました
ふと、物置を見ると義母が送ってくれた白菜がひとつだけ忘れられて残っていました
「早く食べちゃわなきゃ!」
久しぶりに油炒め!
レシピにもならないようなおかずの小さなお話です
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